2014年6月11日水曜日

ポエム化

という言葉にイラつくのは,僕だけでしょうか?

なんというか,そもそも若者言葉・スラングにおいて「ポエム」という言葉に侮蔑的なニュアンスを漂わせる風潮からして,趣味として詩を書く人間として昔から嫌いだったのですが,最近はいい大人が,様々な事象を「ポエム化」と称してネガティブに発言しているのが苛つきます.

いわゆる「ポエム化」という事象としてあげつらわれるコミュニティーの乏しさをあざ笑っている側が使う表現としての「ポエム化」という語のなんと言う乏しさ.正直,こんな語を使っていて恥ずかしくないのか,と,そういう表現を見かけるたびに目眩を覚えるほどです(目眩の原因は難聴).

共感を誘発するコミュニティーの共通言語なんてものは遥か昔から存在するわけで,それは,広くは世代を代表する歌手の曲でもあり(例えば,尾崎に熱狂した世代とか),世代を代表する小説でもあり(例えば,「なんとなく、クリスタル」なクリスタル族とか,「斜陽」な斜陽族とか),そういうコミュニティーを象徴するような表現に群がって,それに煽動されるようにエピゴーネンを量産する文化なんて,いまにはじまったことでもない,と思うのです.それを指して「ポエム化」なんて陳腐な,(主にネット上の)スラング由来の表現で物事を語った気になるという程度の低さこそが,文化の終焉感に溢れているような気がします.