2015年3月18日水曜日

アニメ業界ブラック説に関して思うこと

ある業種について,賃金に不満がある場合,結局,やる(やりたい)人間が自分(労働力)を安売りしないことしか,労働条件を改善する方法はないのよね.少なくとも,自活できないような賃金の仕事は全部断るとか.その結果,そんな賃金じゃ雇えないと首を切られたりするんだろうけれど,それらが積み重なって業種や従事者が減少して市場が縮小したときに,需要があれば条件は改善されて行くだろうし,そうでなければ,その市場に需要はなかったということで衰退するか消滅していくかしかないのでしょう(介護とかそういう職は,前者なので頑張ってもらいたい.アニメ業界はかなり後者よりなので,健全化のために消滅させてもいいんじゃないかと思う.ちなみに,研究者は,イベントがない限り社会的には限りなく後者だけれど,少なくとも現在の施政者の一般的な保護政策のおかげで公的な支援が充実していて,辛うじて命脈を保っているという状態だと思っている).

特に後者に属する系列に多い(というかサブカル系産業に多い),その仕事ができる喜びみたいなものに殉じて自分の仕事を安売りするようなタイプの人間は,他者も巻き込んだ大迷惑なのです.「好きだから」,「やりたいから」で自分や周囲を犠牲にしていいのは趣味の範疇に許されるものであって,適正な(=自活できるレベルの)価格で買い取られないことを許容している状態は,プロフェッショナルといえないどころか,仕事にすらなっていないのですよ.

それができないということは,あなたにはその業種をやる上での運も,運すら凌駕する飛び抜けた才能もないのです(運は重要.マジ重要.「SHIROBAKO」で杉江さんも言ってた!).

2015年3月11日水曜日

死ぬかと思った日

結局,この日が近付くと思い出す.

放尿中に猛烈な揺れに襲われたこととか,被災生活時に追いつめられて精神をすり減らしたこととか(主に対人関係で.あーいうときって本性出るよね),ニヒリストや皮肉屋を気取っていた自分が現実に直面して色々軟化したこととか(あのヴィトゲンシュタインが最期に「素晴らしい人生だったと伝えてくれ」といったがごとき精神的な転向だった気がする),進路の舵を大きく切り替えたこととか,諸々,思い出す.

なんか,起こった瞬間のこととか,自分たちも校舎から避難しながらワンセグテレビで見た,ごく近所の,見覚えも行った覚えもある場所が津波に飲まれている映像とか,無数にある地割れや倒壊した建物や崩れた壁なんかを見ながら地震とか地質とかの話をしながら徒歩で帰ったこととか(八木山橋が不通だったから川内に降りて,土砂崩れで完全に道が閉鎖されていた御霊屋で追い返されて,結局,4 号線から愛宕大橋を経由して,向山の坂を登って八木山に帰った),その後の数日の仙台での難民生活から仙台脱出行とかも強烈だったけれど,札幌での逃亡生活〜仙台帰還後,日常が取り戻されるまでの数ヶ月の(それまでの人生に対して)あまりに非日常だった日々も印象深い.もちろん,D 論執筆期と被っていたというのも大きいのだけれど.

経験をしてしまった以上,それまでと変わってしまうのは当然として,あーいう日々がなかったら自分(とかあのとき周辺にいた人間)はどうなっていただろうかとか考えると,色々感慨深い.もしかしたら……(以下は,省略されました)

2015年3月10日火曜日

指輪(半分宣伝)

例のあれ

結婚に際して,指輪を購入することになったときの会話.

三次元嫁(以下,よ)「結婚指輪は作るから!(宣言)」
俺「ナット?」
よ「……あれは婚約指輪じゃなかったっけ?(年齢の分かる会話)」
俺「じゃあ,どんなのがいいの?メジャーなのはプラチナだけど,金とかで傷や変化を過ごしてきた年月に重ねて楽しむとかいう風潮もあるらしいよ?」
よ「材質は固くて丈夫なものが良い.重いとなお良い」
俺「タングステン?」
よ「そういうことじゃない!」
俺「あ,調べたら,以外とタングステンのアクセサリーあるな.あんまり面白くない」
よ「だから,そういうことじゃない!プラチナとか……」
俺「プラチナとかつまらん……どうせ純粋な白金じゃないし.どうせ白金族ならイリジウムとかー.重いしー」
よ「イリジウムはプラチナ並みに普通じゃない?」
俺「……確かに,所詮,万年筆のペン先だもんな」
よ「だから,そもそも白金でいいじゃん」
俺「日本人らしくニッポニウムことレニウムというのはどう?一応,俺,トンペー卒(ロンダ)だし」
よ「ナニソレ?」
俺「最後から 2 番目に発見された天然由来元素.日本人が見つけてニッポニウムとか名付けたけれど,同定ミスで公認得られなかった元素」
よ「そもそも,そんな金属で指輪作れるの?」
俺「調べたらレニウムの指輪はないっぽい.でも,作りたがっている工房見つけた」
よ「ナニソレ?」
俺「これ.つ http://ameblo.jp/ringology/entry-11059502674.html
(二人でブログ熟読中)
俺「やばいよ!この人,すべての人体に安全な金属で指輪を作れるとか書いてる!記事熱い!ハフニウム VS タンタルの指輪の材質としての比較記事とかある!」
よ「……これは,確かにすごい……!」
俺「そもそもさ,指輪の普通って何さって話でさー(中略)というわけで,材質そのものに凝るって言うのが我々の取るべき道なんだよ!」
よ「な,なんだってー!?……じゃなくて,相変わらずわけの分からん屁理屈こねやがって…….まぁ,それはそれで面白いけれど」
(以上,途中端折ってるけれど,ほぼ原文まま)

……などという会話を経て,こちらの工房に関して色々調べた結果,二人とも納得の上で(ここ重要),アポを取って直接職人さんに相談させていただきました.

その際,色々な金属で作られた指輪のサンプルを見させて頂いて,タンタルとか(K-Pg 境界的な意味で)イリジウムとかにも惹かれたものの(タンタルは暗色で渋い.イリジウムはぱっと見白金みたいに白くて綺麗),ハフニウムが,輝きすぎず落ち着いた白系の金属色で,とても綺麗だったこともあり,材質はハフニウムに,デザインはシンプルで落ち着いたものにすることを決定しました.丁寧に対応していただいた職人さんの人柄に惹かれたのもこちらの工房に決めた理由のひとつです(材質に関して科学的に深い知識があって,信頼がおけたというのが大きいです).

そんなわけで,職人さんと連絡を取りながら,制作過程の詳細を送っていただいたりしながら,ようやく,完成品を入手することができました.





色合いとしては銀に近い感じで,とても落ち着いた色で大満足です.デザインは,ご覧の通り,メビウスリング(っぽい)造形で,一面を粗い研磨,一面を鏡面仕上げにしてもらっています.

こちらの工房,元々は金属アレルギーの起こりにくい材質を探求しているうちに色々な金属での指輪制作を研究されたということです.工房さんの本質である「金属アレルギーになり辛い指輪」をご希望の方,材質に拘って一風変わった指輪を作りたいという方は,是非,代官山指輪工房さんにお願いしてみてはいかがでしょうか!?【宣伝】


2015年3月4日水曜日

完全に気の迷いだった

うん.Twitter 再開とかないわ.見たくないものを見てしまってストレスを溜めたくないから TL を見るのをやめたのだということを,たった数時間 TL を眺めただけで思い出した.むしろ,数ヶ月離れていた結果,耐性が落ちたのか,アレに耐えられていた数ヶ月前の自分が信じられない感じ……

2015年3月3日火曜日

もう一回整理しようかと

Twitter を辞めて久しい.辞めた理由は,特定の 100 人くらいに向けてだだらに書いた文字列を見せつけたいほど承認欲求が大きくないこととか(web のどこかには落書きしたいけれど特定の志向性は持たせたくないというか……),そもそも,コミュニケーションツールとしてあんまり使っていなかったこととか,140 文字という制限に疑問を感じたこととか,仕事を始めたせいで大学時代には一日中気が向いたときに覗けていた超空間井戸端会議に参加できる時間が限られたことで,TL に対する瞬発性とか TL の感覚的な連綿性とかが失われてしまったこととか,まぁ,色々あるんだけれど,端的にいうと "飽きた" と総括できてしまう.

とはいえ,辞めてから分かったのは気軽かつだだらに,しかもリアルタイムで脳汁を垂れ流す,という行為は twitter 以外では難しいということ.顔本は瞬発的な更新が可能だけれどリアルと通底し過ぎているから書きにくいことも多いし,この日記やあそこは瞬発性に欠けるのがなんとも難しい(web 落書きをやめるという発想はあまりない).あと,志向性が強い発言はフラットな場で気炎を吐くよりも,ある程度,ものを感じてくれる人に向けて発言したいというときに,あそこはあんまり向いていないことにも気付いた(そもそも,あそこは怒られたくないからコメントすら受け付けていないし).

それに加えて,あそこも当初想定していたような「ひとりごと」のクリップなのか,ある程度まとまった文章なのかよくわからない場になってしまって,結局,こことの差別化がよくわからなくなっているという悪い展開を迎えつつある(最近は,10 行以上の文章はこっちに書くことを意識しているけれど).

そんなわけで,落書き場所をもう一度整理しようかと思ったり.

ぐだぐだとなにが言いたいかというと,twitter を再開してもいいかもとか思っているということです.たぶん,忙しくて精神的に追いつめられているので逃避先としての TL を求めているんだと思うw

でも,twitter を再開したらあそこは存在意義が吹っ飛んでなくなるんじゃないかと思う.まぁ,そうしたら,過去ログをここに引き上げれば良いだけなんだけれど.

別段大学だけが閉鎖的で不思議なわけではない

某所で「某公立大学では名刺を自腹で作らなきゃいけないなんて不思議だ.こんな慣習はここだけだ(意訳)」という記事を見かけたが,(最近は組織にもよるみたいだけれど)公務員(準公務員,元々公務員だった職業)は基本的に名刺は自腹なものだと複数ルートから聞いた(実際,そういう立場の人の名刺は明らかに自作なものが多いし,それはそれでオリジナリティーがあって面白かったりもする).もちろん,僕の所属組織もその例には漏れない.変だとは思うけれど,まぁ,ルールはルールで仕方がないことなので,僕も自分の名刺は自宅でしこしこと刷っている.もちろん,「自腹」という言葉の範疇には諸々入るようだけれど(例えば,大学とかだと外部資金なら OK とかそういう話は聞いたことがある).

ところで,この名刺にまつわるルールの件なんだけれど,本当かどうかは知らないけれど,もともと「役人は基本的に名刺を配ってはいけない(持ってはいけない)」というルールがあったせいだといわれている.しかし,役人であっても名刺が必要になる場面もある時代になった結果,「(税金であるところの)公金を使って名刺をバラまくのはダメだけれど,個人が勝手に作って撒く分には黙認する」となり,更にそれが転じて「名刺は自腹で用意しなければならない」というルールになったということらしい.この世間の常識からの遅れっぷりをみると,役人でも公費で名刺を作っていいというルールになるころには,名刺交換の文化自体が薄れている時代になっている気がする.

元々の「名刺を配っちゃダメ」というルールの起源についてもはっきりしたことは分からないけれど,「身分や役職(=仕事内容)が外部に知られることを防ぐ(賄賂とか不正の防止)」とか,「昔の役人は『お役人さま』だったから自ら名刺を配るという行為は必要なかった」とか,「税金で私物(名刺=個人の名前が入った公共性がないもの)を作ってはいけなかったから」とか,「公僕に名刺は必要ない」とか,「公務員の無名性に名刺文化はなじまないから」とか,いろいろ聞いた.

そういうわけがあるので,我々は名刺を積極的に配りたがらないことも多いんですが,常識がないんじゃなくて「身銭を切りたくない」だけなので,怒らないで下さい(笑).

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ちなみに,僕は親が公務員だった上に,自身も一般の職場といわれる場所に身を置いたことがないから本気で分からないんだけれど,名刺が会社から支給されるっていうのは,実際のところ,どのくらい常識的なことなんでしょう?それなりの規模の一般会社の人でも自作っぽい名刺を配っていることもあるので……(自作でも名刺用紙は会社負担とかなのかもしれないけれど).