2014年4月27日日曜日

陰鬱な夢想

最近,更新が滞りがちなのは,忙しいということもあるのですが,リアルが充実している結果,自分がダウナーモードに突入していることが大きな原因です.なんと言うか,文字を書いていても,陰鬱な気分に支配されてダウナーなことしか書けなくなっているので,書きかけの鬱々とした文章が目の前にいっぱいです.

こういうときは,大抵,リアルな世界が過剰にうまくいっているので,いたずらに死んでみせたくなります.昔から,気力が溢れてきて,色々,身の回りの物事が上手く回って,自分でも調子づいているときに限って,メランコリックな,といっても気力が湧いているので「鬱」とかではなく,精神面が暗く重くなっていくのは習い性なのです.基本的に,破滅願望が強いんですね.積極的なペシミストと言うか.オーバーヒートする前に,それを避けようとするような自己防衛のような気もしますが.

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 簡単な朝食兼昼食をとって、気晴らしに外に出ようと思っても、なんとなくふらふらと車道に飛び出してみたくなったり、高いところに登ると落っこちてみたくなったり。当然、死にたくなんかないので、そんなことは思うだけでしないけど。なんとなく喫茶店に入って、PC にパチパチと英語の文章を打ち込みながら、緩慢な自殺とか嘯いて、気分が悪くなるまでタバコをふかし続けて(気付いたら、タバコが一箱空っぽで)、必要な文献のコピーを職場に置きっぱなしだったことを思い出して、ぐらんぐらんになった頭のまま、パッパラパーで家に戻ってくる。結局、家でも、また、仕事(趣味)をすると、意外と快調で、また、陰鬱な気分になる。一息ついて、夕飯を作っていると、切り刻む材料と一緒に手まで刻んだら面白いかなとか考えて、自分の肉で人肉シチューを作るグロテスクな想像をしていたら、親指を誤って切りそうになって、急に怖くなってしばらく呆然としたり、あやうく人肉シチューな現実になりかけたことに気付いて、おかしくて、一人で大爆笑して、一頻り笑って落ち着いたら、材料をぱっぱと切り刻んで鍋にぶち込む。ラジオを垂れ流しながら(自分の肉ではなく、牛肉の)シチューを煮込み、今度の休みの恋人との旅行中にふたりで崖から滑落してぐちゃぐちゃの肉塊になるなんていう自分たちの姿を想像したり(心中願望でもあるんだろうか?太宰治は好きなんだけど)、性交の最中に恋人を縊り殺すことを想像したり、リョナ趣味的に、殺害した恋人を美しく残酷に飾り付けたあとに自分の頭をショットガン(どこでどうやって入手するつもりだろう?)で吹っ飛ばすなんて気障ったらしい想像に赤面してみたり。そんな想像をしながら、いつの間にか出来上がった、よく煮えたシチューを白飯にぶっかけて、それをスプーンで口に運びながら、動画サイトで無料配信されているアニメを眺めると、話が飛んでいて、先週の配信期間に見逃していたことに気付いて嫌になって、課金してまで見る気も起こらないアニメを見るのをやめて、オーメンの DVD をかける。
「オーメンは、なんで2作目以降グダグダになっちゃったかなぁ」
 とか、画面に向かって呟きながら、時計を見ると、午後 8 時。午後 10 時じゃないから、「じゅうじか(野狐禅)」をかけて、ノスタルジックなセンチメンタルに浸る気分にもならないで、電子井戸端会議に「大事なファイルをクラウドに放り込んでおくのを忘れてヘコむ」なんて書き込みをして、誰に向けたわけでもない「今日は仕事をしない」宣言を発して、また、オーメンの画面に戻ると、ちょうど、墓の中の犬の骨が暴かれたシーンで。何度みても快感なカタルシスを得たところで、未だ物語が終末へ向けて進行中のオーメンの画面をぶった切りつつ、「そういえば、『人類は衰退しました』の不吉な黒い "タイムパラドッグス" って、ダミアンの黒い犬のパロディーなのかな」とか、どうでもいいことを思いついて、グーグル検索をしてみるけど、それらしきものはなにも引っかからなくて、「これに気付いたのって俺一人なんじゃないか」なんて妄想してみたりもするけど、冷静になるとそんな阿呆なことはなくて、こうやって、世界は陰謀論に埋もれていくのだ、なんて、嘯いてみて、食後のタバコを一服。
 人恋しくなって、物理的に遠距離な恋人に連絡したくなって、スカイプを起動して、恋人の顔を見たら少し元気になって、2 時間くらい陽気におちゃらけて道化てボケて、なんだか良くわからなくなって、今度の旅行の話をして、旅行が楽しみになって、旅行までは無事に生きようとか思って、北部北上の付加体に思いを馳せて、布団に潜り込んで眠りにつく。そんな私小説というフィクション。

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どっとはらい.