2012年7月19日木曜日

Jon Lord 追悼

この記事を書いているいま,訃報からちょっと時間が経ってしまっているのは,この訃報が僕にとって,かなりショッキングなものだったからです.訃報に接して全身脱力したのは(昼飯食いつつ iPhone でニュースサイトみていたときだったので,リアルに箸を落とした),かなり久し振りのことでした.

この世代の,いわゆる HM/HR 創成期の偉人,その中でもトップクラスの音楽家であり,イノベイターであるジョン・ロード.彼のハモンドオルガンの響きがなかったら,多分,この世界の HM/HR はまるで違うものになっていたはずです.仮に Deep Purple が成立していたとしても,彼らの曲の響きにクラシカルな要素が加わることはなかっただろうし,凶暴性と格調高さを同居させるようなクラシカルな背景を持つ HR/HM の系譜なんて生まれることはなかっただろうと思います(たぶん,Deep Purple はリッチーがただの HR をやってただけだろうと思う.そして,少なくとも Blues 以外の系譜と背景をもつタイプの HR/HM の出現はかなり遅れたことでしょう).

……しかし,そんな彼が一般に与えた影響とか,ロック史における立ち位置とか,そんなものは,本当はどうでも良くて,"In Rock", "Fire Ball", "Machine Head", "Burn" で僕を熱狂させる鍵盤ソロを弾いていた人が,心底惚れ込んだ "Live in Japan" のぶっ飛んだソロパフォーマンスをやっていた人が,もう,いなくなってしまったという事実が,単純に悲しいです.

好きな曲,好きなソロ,好きなプレイがいっぱいあります.ここまで 3 期までの Deep Purple の話だけしかしていませんが,4 期以降の Deep Purple も Whitesnake も大好きです.再結成後,リッチー脱退後も Deep Purple を聞き続けていたのはジョン・ロードのプレイを聞くためだったといっても過言ではありません.本当に悲しい.

Requiescat in Pace