2010年1月18日月曜日

あとでかく←書いた

http://blog.livedoor.jp/booq/archives/1056612.html

あとでかく,っつーか,まずソースの論文を読みたい.なんか,報道段階で論文の内容が変えられている気がする.

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追記.

元の Daily Mail の記事を発見(http://www.dailymail.co.uk/news/article-1242202/Could-30-years-global-COOLING.html←いつまで読めるか解りません).

この記事から判断すると,ここ 100 年の気候変化から Dacadal scale の未知の周期とそれを生み出す仕組みの仮説を見つけたこと,次(の decades に)に卓越するのが寒冷期であること,が解った,ということらしい.

んでもって,ことの発端は 2008 年に出た論文というので,コレが元ネタらしい.

問題は,なんで,この論文が今更話題に上っているのかと(多分,今年,高緯度地域に寒波が来ているからなんだろうけど……),論文の当事者や周期自体の(いまのところの)見積もり結果から Long scale の温暖化傾向との関連を述べられないのに,さも,それと関係する何かのような書かれ方をしているのか,というのがよくわからない(一応,記事の最後におまけのように Anastasios Tsonis という人の「この周期は 20 世紀,21 世紀の温暖化も解明しうる」的なコメントが引かれているけど,別に著者の一人というわけでもないし,なにを根拠に言っているのかわからない).

まだ,ちゃんと論文読んでなかったり,今回の件の背景(いまさら記事になったきっかけとか)が把握できてなかったりなので,「完新世以降(正確にはここ 100 年で卓越する)の短周期変動のひとつのモデルが提唱されたという意味で非常に面白い研究ですね」としか言いようがありません.

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あと,Daily Mail の記事では著者と無関係に「現行の温暖化が自然変化である,という人もいる」という紹介がされているだけなのに,日本語の記事だとまるで「この仮説によって人為起源の温暖化が覆った(←そんなことは著者すら言ってない)」かのように書かれてるの?

あと,明らかに pause という単語を恣意的に誤訳しているよね…….

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さらに追記.


あと,コメント欄で oanus 兄さんから情報が寄せられたけれど,


……というように他の人も反応していますので,僕の方からはこの追記でこの件から手を引きます.

この blog の記事によると,Daily mail 紙で取り上げられた Mojib Latif 氏自らが記事に対して反論をしているようです.

まぁ,2008 年の論文を読む限り,そもそも長期的な温暖化に関しては言及すらしておらず,また,寒冷期へのシフトの時期も一切言及されていないので,当然の反論だと思います.


更には,「Daily mail 誌にでてくる架空の Latif 氏」を支持しているとされた Tsonis 氏は,反論こそしていないものの,論文で現行の温暖化の議論よりも 21 世紀の温暖化がヒドいであろうという予測を出しているらしいです(未確認).

以前もモデル絡みでは,全球の温暖化に伴って Gulf Stream(メキシコ湾流)が弱体化した際に,一時的に温度勾配が揺らぐことで北アメリカ付近で気温が下がる時期が生じる,という論文の内容を曲解して「温暖化なんてないよ」という論調の記事にしていた例があったけど,今回は,それ以上にヒドい記事ですね…….

……取り敢えず,記事初読時に論文を読んでいない段階で追記してしまった結果, Latif 先生と Tsonis 先生の本来の業績をちょっとだけ誤解してしまっていた点に関して,お詫びを申し上げます.