2011年11月21日月曜日

ちょっと

南仏プロヴァンスに行ってきた(といっても,帰ってきてから二週間以上経過しているけれど……).

行った目的は,当然,観光ではなくて地質調査.今回で,海外調査は三回目,フランスは二回目です.なんだかんだで,この研究室ではいちばんおいしい思いをしているのではないかと思います.

これまでの海外調査の際には「教授(当時),准教授(当時)+僕(B4)」とか,「師匠(当時はポスドク)+僕(M1)」とか,基本的に自分は知識のない下っ端という立ち位置だったけれど,今回は,師匠(准教授)に次ぐ立場のポスドクとしての同行なので(残り二人は後輩),なんか時代の流れを感じます.

今回の調査は,僕のメイン研究テーマではないので,そういう意味では,ちょっとお気楽だったり,逆に,半分くらい指導者をやっていなきゃいけなかったので,責任を負わないといけない部分があったりと,これまでの調査とは感覚が違っていました.それはそれで楽しかったのだけれど.

また,前回の調査のときには出発前に走り読みした付け焼き刃な知識しか持っていなかったのに対して,今回は,五年分の知識の蓄積があったおかげで,同じ地層を眺めていても「みられるもの」が全く違っていたのが印象的でした.そういう意味では成長しているのだな……,と自己認識できた旅でもありました.

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そんなわけで,向こうで撮った写真を何枚か…….

調査前半戦に泊まった高級ホテル.南仏の伝統を感じさせるステキなホテル……らしいです.併設されているレストランはなんとミシュランの星付き!向こうでお世話になった方をディナーに招待したときに,ここのレストランを利用したけれど,めちゃくちゃ美味しかった.

某スーパーマーケットでみつけた Kaki.フランス語でも Kaki なんだね.

下部白亜系と上部白亜系の境界露頭.黒い地層は泥灰岩で,白い地層は石灰岩.境界付近で劇的に海洋環境が変わったということが誰にでも "見て" わかる素敵露頭です.

Digne les Bains という Haute Provence の中心の街の外れにある「アンモナイト壁」.前回の調査のときにも見に来たのだけれど,何度みても圧巻!ジュラ紀の地層で,この写真の「壁」は,ほぼ直立した地層を下から眺めている状況です.

Digne les Bains の町並み.まさにヨーロッパな風情.雨にぬれているのも雰囲気を出しています.

Eocene の reef limestone.僕らの調査対象はこの地域がまだ(比較的)深い海だった頃の地層だけれど,これはかなり浅くなった頃の地層.Digne les Bains の博物館が建っている山は,この地層からできているのです.

調査中にみつけたサソリたん.かっこかわいい.

「頁岩を割って化石を探す古生物学研究者」という子供の頃のテンプレートな妄想上の「化石博士」の絵を撮ってもらった.真面目な研究者っぽい!

朝もやに煙るプロヴァンス鉄道(CP)の発車シーン!かっこいい!ちょっとした事情でプロヴァンス鉄道に乗る必要性が生じたので時刻表を確認しに行ったら,ちょうど列車が出るところだったので一枚.

夜の Barreme の街角.Barreme は白亜系中部の Barremian (バレミアン階)の名前のもとになった地域(模式階).※ただし現在の GSSP(年代層序単元の基底の模式地)はここにはない.

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……ほとんど遊んでいるような感じですけれど,調査そのものの写真は出せないので,こんな感じだったという空気を感じていただければ幸いです.