2019年2月17日日曜日

顔真卿展とか

連休を使って都内で遊んできた.

飛行機のマイルが溜まってタダ券が往復分あったのとか,嫁が東京に出向中とか色々の事情があるものの,基本的には,定期的に訪れる現実逃避欲の発露です.

で,見てきました.顔真卿展@国立博物館.

内容としては,顔真卿がメインだけれど,顔真卿に至る書道史の部分が割とボリュームがあって面白かった.ただし,解説は酷すぎて,少し引いた.書道史家の監修いれなかったのかな?

メインの「祭姪文稿」については,本当に日本に来たという事実がマジでやばい.まぁ,アレ自体が「名物」としての価値とレアリティー的な意味を超えたところでどうなの?という部分は置いておいて,まぁ,本物を見られる機会はそうそうないものですので.
(顔真卿と言ったら楷書(特に晩年)で,行書は普通に正統派で美しいけれど,悪く言えばつまらない書だったりする.で,「祭姪文稿」は,顔真卿の書の中でも割と正統派にただ美しいだけの行書の典型的な書なのである.美しいけれど)

展覧会全体としては,すげー中国人の数(しかも書道ガチ勢)が多くてびっくりしたんだけれど,冷静に考えたら,空っぽになった方の故宮にしか行けない人たちが,歴代皇帝が愛した(というお触れ付きの)「祭姪文稿」の本物を「台湾に行くという危険」を犯さずに見られる機会なんて,なかなかないのだろうな,と.

あと,これとは別に,都美術館でやってた奇想の系譜展もみた(こっちは嫁の希望).

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以下,個人的な,顔真卿の思い出.

長く書道はやっていたけれど,中学〜高校時代,いわゆる手習いの段階を卒業して,書道の本格的な古典臨書をやるようになったころに,実は,猛烈に顔真卿の楷書に憧れた時期がありました.顔法は,筆がうねるので書いてるのも楽しいし,出来上がる字形も,まぁ,格好良くて,一時期,顔真卿ばっかり臨書していました.顔氏家廟碑とか,顔勤礼碑あたりのいかにもなものから,多宝塔碑あたりのまだ素直なころの書まで結構はまり込んで書いていたものでした.

自分で言うのもなんですが,書道には相当な自信があったので,かなりうまく書けていたと思います.正確に言うと,今でも,当時の臨書のレベルは高かったと思っています.ただ,自分でも「なんかたりない感」というか,無理して書いていて自分に合っていないという感覚があったのは事実です.

んで,高校で芸術教科としての書道の授業がはじまったときに,同級生の,どちらかといえば華奢な女の子が,自分よりも豪快に,かつ,自然に顔真卿の臨書をしているのをみて,「あっ(察し)」と思いました.技術がそれなりにあれば,臨書で字形を真似ることはできるのだけれど,なんというか表現しづらい感覚的世界の話になるのだけれど,天性のものとして,合う合わない(※)という概念は確実に存在していて,自分には「合わなくて」,彼女には「合っている」のだな,と.

※運筆に使う腕のしなり,可動域,筋力とか,筆をもつ手首の固め方(自然に無意識で書いているときの手首の柔らかさ),筆のうねらせ方(またはうねらせな方)……,身についた個人のもつ身体的な応答としての「センス」みたいなもの.

察してしまったときは,「自分は顔真卿をいくら臨書してもあの子には勝てないんだなぁ」とショックだったものの,実は,その頃にはすでに,そもそも自分には楷書よりも行草が「合う」こと(特に繊細な草書),中国書道史界の文字のイデアである王羲之の文字が,何故か自分にはあまりに自然に臨書できることなどに気付いてはいたので,その時期から,行草の能筆家の臨書を好むようになりました.

ちなみに,その女の子はその後も豪快な字を書いていることが多く,私は繊細な行草を書いていることが多かったので,(名ばかりで実態のない)書道部で並んで書いているときに書道科の先生から,「作品と書き手のイメージが真逆すぎて,並んで書いていると笑える」とかよく言われたものでした.

そんな,青春時代の思い出.

(このエピソード自体には思春期的な甘酸っぱい話は関係ないけれど)

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大学入学以降は,日常的に文字を書く日々とは離れてしまったけれども,なんとなく,こういう展覧会なんかに行くと,久し振りに,本格的に書道を趣味として再開したい気分になってくるものです.

2019年1月27日日曜日

万年筆個人史

筆記具が好きだ.そして,自分なりの拘りもある.

筆記具と一口にいうけれど範囲は広くて,元々の書道の流れから筆を集めるのも好きだし,職業柄,製図に手書き段階があるので,製図系のギアを集めたりするのが好きだ(使いもしないのに,ロットリングセットやテンプレートをたくさん持っているくらい).いまでも,基本的にルートマップの手書き段階の清書は付けペン,柱状図とか,細かいハッチはミリペン,メモなど普段使いに万年筆を使うなど,なんとなく作業ごとに筆記具を敢えて使い分けていたりする程度の意味のない拘りがある.

で,なんでこんな話になったかというと,最近,高価格帯の万年筆を 2 本も衝動買いをしたから.ちなみに,購入品は,Pilot のエラボー(細字ソフト)と Sailor の Professional Gear (中字).

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私と万年筆との付き合いは,世代の割に長くて,中二病を発症していて,小説家とか詩人になりたかった頃,親父が持っていた(けれど使っていなかった)万年筆を(やや勝手に)もらって,それを使って,小説のようなものを書いていた頃にさかのぼる.

まぁ,結局,消しゴムで消せないから,万年筆使いは長くは続かないで(古いペンばっかりだったからすぐ詰まったりして手入れが大変だった),文章書きはシャーペンか鉛筆に移行したんだけれど,やっぱり万年筆は長く書いていても疲れないのがいいよね,とは思っていた.

その後,大学に入って大二病を発症した頃,若者市場の開拓を目指したのか何なのか,いろんなメーカーが 3000 円以下の価格帯の廉価万年筆をプッシュし始めた(Safari とか kakuno とかがある今ほどではないけれど).時期がマッチしたというか,万年筆を使っている自分に酔いたいくらいの年代に,そういうブームの走りが来たというのは,今に至る,一番大きな要因だと思う.

(今となっては,そんなに好きじゃないんだけれど)スチールニブのカリカリした書き心地が,いかにも万年筆を使っている感があって,特に,詩や歌詞を書いたり,曲を書いたりするときに使っていた(14K ニブに慣れた今となっては完全なる勘違いだけれど).

そんな万年筆事情が一転したのは,Pelikan Souverän M400 を入手(というか,現嫁からもらった)してから. それまでの万年筆のイメージ(古い万年筆の機嫌を伺いながら使う or スチールニブのカリカリ)がひっくり返った感じ.そんなわけで,スーベレーンは,今になるまで,10 年以上,筆記具のスタメンとして使い続けられている(だいたい,顕微鏡を覗いているときの記録筆記に使っている).

スーベレーンを使い始めて以降,時々,別な万年筆が欲しいと思ったこともあるんだけれど,買うに至ることがないまま過ごしてきた(スチールニブの廉価品は除く).いま思い返してみると,初めに至高に近いものを使っていたら,別なものに手を出す気はあまり起きないよね,ということだ.スーベレーンでアップグレイドしようと思ったら,M800 か M1000 だけれど,ちょっとお財布事情的に…….

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……そんなわけで,かなり久し振りに買ったのが,先述の通り,エラボーと Professional Gear なわけだけれど,国産メーカー品だと,海外メーカー品の同ランクより 1/3 くらいの値段だな,とか思い始めてしまっている.よくないなぁ.

2019年1月20日日曜日

ついでだから,リストだけ(2016, 2017)

2017年

・アトム・ザ・ビギニング
・アリスと蔵六
・異世界食堂
・有頂天家族2
・山田エルフ先生エロマンガ先生
・おそ松さん
・賭ケグルイ
・けものフレンズ
・このすば2
・小林さんちのメイドラゴン
・サクラクエスト
・サクラダリセット
・地獄少女 宵伽
・少女終末旅行
・昭和元禄落語心中−助六再び篇−
・正解するカド
・亜人ちゃんは語りたい
・NEW GAME!!
・バチカン奇跡調査官
・プリンセス・プリンシパル
・メイドインアビス
・幼女戦記
・リトルウィッチアカデミア

いうまでもなく,メイドインアビスとリトルウィッチアカデミアの圧倒的2強.プリプリはここに食い込めるだけのポテンシャルは十分あったと思うけれど,最後が残念だった感.サクラダリセットは悠木碧の演技を堪能するだけのアニメ.あと,落語は名作だった.

けものフレンズについては,終末後の世界のロードムービーを丁寧に作っていたという意味で,普通に面白かった.ちなみに,世間が盛り上がる前の割と最初期からみてたよ.


2016年

・アクティブレイド
・オカルティックナイン
・ガーリッシュナンバー
・キズナイーバー
・くまみこ
・クロムクロ
・紅殻のパンドラ
・甲鉄城のカバネリ
・このすば
・終末のイゼッタ
・少女たちは荒野を目指す
・昭和元禄落語心中
・だがしかし
・Dimension W
・NEW GAME!
・ネジ巻き精霊戦記 天鏡のアルデバラン
・バーナード嬢曰く。
・ハイスクール・フリート
・響け!ユーフォニアム2
・舟を編む
・ふらいんぐうぃっち
・フリップフラッパーズ
・ブレイブウィッチーズ
・迷家
・Lostorage incited WIXOSS

ユーフォは神.とにかく黒沢ともよの演技が素晴らしかった.ほとんど天才に近い.

あとは,フリフラ,ハイフリ,クロムクロ,落語,舟を編むがよかった.あと,ふらいんぐうぃっちはなんか雰囲気がハマった.あと,ディメンジョンwのロボットは可愛かった.

2018 視聴アニメ

なんか,数年,書いていなかった気がするけれど,毎年恒例のリスト.
(50 音順)

・あかねさす少女
・あそびあそばせ
・伊藤潤二コレクション
・色づく世界の明日から
・ウマ娘 プリティーダービー
・からかい上手の高木さん
・ぐらんぶる
・SSSS. GRIDMAN
・少女☆歌劇 レヴュースタァライト
・宇宙よりも遠い場所
・ゾンビランドサガ
・だがしかし2
・中間管理録 トネガワ
・ひそねとまそたん
・ヒナまつり
・やがて君になる
・ゆるキャン△
・りゅうおうのおしごと!
・Release the Spyce
・Lostorage conflated WIXOSS

今年,印象に残ったのは,ゆるキャン,よりもい,ゾンビの3つ.この3作については,今年の面白いアニメというよりは,ここ数年でも,上位のいいアニメだったと思う.特に,よりもいはあらゆる意味で過不足なく名作だった.ゆるキャンは,なんか,雰囲気がすごい好きだったんだよね(個人的な趣味).ゾンビは,普通に面白かった.個人的にはまさお回が一番印象に残っている.笑いと切なさと楽しさと悲劇と救済が絶妙にバランスを取って存在していて,視聴者として感情をかき乱された感じ.こういう高度な喜怒哀楽を超える表現までアニメで至るって,なかなかレアだと思う.

これに次ぐあたりに,ウマ娘とグリッドマン,スタァライトが印象的だった.スタァライトはイクニ臭が鼻についたが,イクニほど才能は感じなかった……というか,イクニ主人公のどこまでも突き詰めた自分本位の世界,みたいな強烈なエネルギーを感じられなかった(個人の感想です).ウマ娘は,中高時代,暇な日曜の午後に漫然と競馬中継を眺めていた時期のウマが主役だったので,ついハマってしまった感じ.グリッドマンは普通.

ギャグアニメとしてはあそびあそばせが印象に残っている.ヒナまつりは原作が好きだっただけにアニメは消化不良感があった.ちなみに,あそびあそばせの OP である「スリピス」は,ここ数年のアニメソング史上でもトップクラスの神曲だと思う.

質アニメ系は,よりもい以外は,なんか全体的に消化不良に終わった感が強い.色づくもひそまそもやがて君もあかねも面白かったは面白かったんだけれど,なんとなく舌足らずに終わった感が強い.やがて君になるについては,原作の中途半端な場所でぶった切られたせいが大きいとは思うけれど.あかねはなんか,物語が想定と違う方向にどんどん突っ走っていって,感情が追いつく前に終わってしまった感じ.

ラノベ系だと,りゅうおうだけ見たんだけれど,これは,私が元々,将棋好きだからなので,ノーカウントでいいかと.

まぁ,そんな感じ.

あ,なもスパは,クソつまらなかったです.

2016年9月21日水曜日

溜まったら出す

最近,全然更新していなかったので,見た映画の感想を上げておく.

「シン・ゴジラ」

ストーリーは面白かった.その点,庵野を見直した.映画としては佳作.60 点.

なにより,「そういう風にしている」ことが分かった上で見ても,特撮と CG がウンコ.自分に特撮オタクの素養が全くないので,そもそも,「そういう風にしている」ことが理解不能で,映画として見た場合,こういう作風の評価ができない.カット割りも時々理解不能で,監督の能力を疑う.いい脚本を演出がゴミにしているという好例.

せっかく野村萬斎を起用してゴジラの動きに特殊性を持ち込んだのに,それを披露する場面が少なすぎること,限られた時間内の配分として,ゴジラの動く時間が短すぎる点がマイナス点.逆に,政治コメディ部分は,稚拙ながらも面白かった.半分役人でもある身からすると,ちゃんちゃらおかしい描写ではあるんだけれど.

この映画で尾頭さんフィーバーが起こったせいで,昔から大ファンだった市川実日子さまを素直に好きだと言いづらくなったけれど,尾頭さんは好き.

※書き忘れていたから追記

石原さとみは殺意を覚えるほど映画において邪魔で,これが何かプラスになると考えて配置した人間はマジで死ねばいいと思った.

「傷」

まぁ.70 点.特に言うことはない.

「君の名は。」

面白くなかったとも言えないけれど,所詮オタク向けアニメ.75 点.数寄屋橋も佐渡も関係なかったし,ヒロインがクソ男に孕まされもしなかった.

クレーター地形とか彗星(男は映画の初めに見てる)とかで早い段階でストーリー展開が読めてしまったのが個人的には残念.あと,最後に二人を会わせているのは,新海が「作家」であることを捨てて売れ線に走ったと強く感じた.とはいえ,「言の葉の庭」見てないんだけれど(「星を追う子供」は本人ですら「狙ってやった」と言っているから除外).

演出的には,過去の「俺の美しい絵を見ろ!」的なドヤ顔カットが減って,まともなカット割りができるようになっていたし,過去にはなかった「カメラワーク」という概念が導入されていて全体的に見やすくなっていた(その辺は膨大な金をかけてスタッフを揃えただけある).

猛烈にヒットしているらしく,公開 3 週目に見たけれど,レイトショーがほぼ満員だったのにはビックリした.しかし,率直な感想としてジブリの二大巨頭を継ぐ才能みたいな評価には唾を吐きかけたいところ.この映画は,根本的に,サブカルとしての量産アニメの歴史から生じた「お約束」な演出の積み重ねでできていて,その「お約束」の外の人間には理解できないという,まぁ,オタク向けのアニメの枠を一歩も出ていない.「ジブリ」という一般的ないわゆるアニメとも実写とも違う,独特の "何か" を作ってしまったあの二大巨匠とは全然違うし,たぶん,アニメとは違う「ジブリ」はあの二人しか作れないのだろう(レッドタートルは見ていないのでわからない).

なんかのネットニュースの記事で,「なんだかよくわからなかったけれど曲とか絵とかで感動した」みたいな感想をこぼす若者を嘲笑したような文章を見かけたけれど,たぶん,「わからない」というのは,真実で,この映画の演出の大部分はサブカル量産アニメの「お約束」や記号を知識として持っていないと全くわからないものだったと思う.ただ,それだけ普段,アニメという文化から離れている子供を観客として動員したという事実と,「わからない」なりに「なんとなく感動した」と言わせた力は十分に高く評価してもいいと思う.

まぁ,そんな感じ.



ちなみに,「聲の形」は,ストーリーの大まかなあらすじを聞くだけで,ゲロ吐きそうなほど不快なので,見る気も起きないです.


2016年6月28日火曜日

前提条件ぶっ飛ばしてた

ひとつ前の記事の前提条件というか,ここ最近の私(こんな記事書くのも,久し振り.日記のはずなのに不思議ね).

去年も,これ系のまとめ書いてなかったし,年末雑感的なことも去年は書いていないようだ(ひとりごとのほうにも).そんなわけで,経緯.

2015 年 10 月頃:上司との面談で「異動」という単語がチラつくなど,不穏な空気が流れ始める.
2015 年 11 月頃:人々の噂に,今年度末の異動の噂が登り始める.そんな噂の最右翼に自分の名前が挙がっているのを聞くたびに,ギャーギャーと反論する日々.この頃は,それでもまだ自分が異動というのはないと思っていた.
2015 年 12 月初旬:かなり本格的に,どうやら自分が異動するらしいという空気が流れ始めるとともに,上司がやたらと来年以降の研究運営に関して気にしてくるようになる.その辺で,薄々,自分でも察し始める.
2015 年 12 月中旬:例年だと,この辺で内示があるという話なので,日々,戦々恐々として過ごしているが,全然,呼び出される気配がないので,すこし,精神的に余裕が出てくる.
2015 年 12 月下旬:どうやら,自分の人事とは関係ないところで,色々,揉めているという話を聞き,かつ,年度末まで呼び出しがなかったことで,胃が痛いまま正月を過ごすことに.
2016 年 1 月初旬:新年の出勤日早々に所属長に呼び出しを食らう.内示.
2016 年 1〜2 月:精神的に荒れる.公募を漁る日々.真面目に,年度末までに退職することを考えていた.
2016 年 3 月:色々諦めて無心.
2016 年 4〜5 月:新部署で忙殺.猛烈にストレスを溜めるとともに,やはり,仕事を辞めたい衝動にかられる.
2016 年 6 月:色々慣れてきて,ストレスはだいぶ薄れる.ただし,冷静に,この期間に色々準備をして,本格的に仕事を辞めることも視野に入れた将来設計を考え始める.これ以前までの,衝動的に辞めると思ったのとは違い,自分は,その気になれば出て行ける状況なのだという心の拠り所作りを始めようと思う.積極的に出て行きたいわけではなく,ある程度の実現性をもって,いつでも出て行けるような準備をするというか.具体的には,論文をできる限り沢山書こうと心に決める.そんなわけで,手元のデータの切り分けを始める.

3 ヶ月目の私見

現部署(企画兼務)に配属されて,早くも 3 ヶ月になる.長かったような,短かったような.期間としては長かったけれど,忙しすぎて時間が短く(足りなく)感じられたというのが,実際のところかもしれない.とにかく,まぁ,なんとかかんとか企画兼務の研究職員をやっているけれど,思っていたよりも研究業務への圧迫が甚大で,研究業務についてはかなり遅れが生じて焦りを抱えているという実感だ(逆にインプットが減って,アウトプットに割ける時間は少し増えたので,この 2 年間はアウトプットに専念するという覚悟もできた>死蔵データの関係者各位).

今年の初めに,所属長から呼び出されて異動を宣告された段階では,諸々の人事条件のうえで想定されていた事態だったことでの諦観と,そもそも,向いていないからやりたくないという反発心で,やや精神的に荒廃したものだけれど,決まったことは覆ることなく,現状に至っている.内示を受けたときにもっと抵抗をしたって良かったのだけれど,そこまで馬鹿じゃないので,我が社の危機的な人員不足から,このタイミングで決まったこの異動が覆ることはありえず,僕の抵抗が無駄に終わることはわかりきっていたのでどうしようもなく,省エネ主義(笑)で,粛々と辞令を受けるしかなかった.

まぁ,3 ヶ月を終え,ルーチンになっている業務については,既に慣れてきている現状からすると,幾つかの失敗はあったものの(大きいのは 2 つくらい.でも,初めてやるんだから当たり前,という開き直り),自分でもよくやっている方ではないかと思っているし,ありがたいことに周りからもそういうコメントをもらっている(なお,これは僕の能力の問題ではなく,過去にこの席に座ったことのある色々な人がやらかしたマズかった事例について,上司から色々聞かされていて,それを避けるようにしたというのが大きい).

企画業務は,研究とかでぶち当たる,何日も頭の中でグルグル回るような大問題や,解決の糸口もつかめない見慣れない結果を解釈する作業に比べれば,企画で直面する問題なんて児戯に等しい.単に,人と喋って会議で決めて,汗を流しつつ手を動かすだけだ(しかし,それに猛烈に時間がかかって,その他の業務を食う……).この辺,自分の担当分野に従事している限りは,一人で作業に没頭してしまう研究業務に比べて,コミュニケーションや,手を動かした分だけサクサク仕事が進む点など楽しい部分もないではないが,まぁ,なんとも創造性のない業務の連続で,気がヤられてしまいそうになることもある.

その一方で,不幸な人事とはいえ,この席に座ってしまった以上は,少しは創造的な仕事として色々「変える」ことをしてみようかな,とも最近は思い始めている(少なくとも任期中に,あまりにもバカバカしい手続きはなくしたい.もちろん,バカバカしくても根拠法令があったりとか,そういうのはどうしようもないけれど).

しかし,これまで「嫌なことはやりたくない」で,普通の職業人になることなく生きてきた人間からすると,普通に就職した人は,22 歳で大学を出てから,延々とこんな目にあって生きているのかと思うと眩暈がするレベルだ.脳みそもほとんど使わないし,ただただ単調だし,ほとんど創造性の欠片もないし,なにが楽しいのかと思う.この席の唯一に近い楽しみは,脳みそを使わない仕事をしながら,「この年期明けたら〜」と各種の研究計画を考えることくらいだ.みんなコレに耐えているんだと思うと,素直に尊敬する(全然,皮肉ではなく).

とりあえず,この席に座らされてしまった人間としての,僕の目標は,2 年後に,2 年間の自分の歴史を慰めるように「企画業務に従事するという経験は,色々な点で勉強になったし,大事だったよ」なんて綺麗事を嘯かずに,「こんな業務に従事する時間は,(会社での出世以外の)人生の本質的な無駄使いだった」とトンガっていられればいいなと思います.

2016年5月25日水曜日

がたがた

「ガルパン」の 4DX が再上映ということで,見に行ってきました.本当は,1回目の 4DX 上映期間中に行きたかったんだけれど,異動したばかりで忙しくて行けなかったのでした.

4DX 上映開始すぐに二人揃って見に行ったという元直属の上司と元直属の部長の「あれは映画というよりアトラクション」という感想は聞いていたのですが,想像以上にアトラクションでした.

4DX 自体については,いろいろ,噂は聞いてはいたのですが,実際に体験してみると全然違うな,という感想です.そして,「ガルパン」の映画は,だいぶ,4DX 向きだなと思いました.あと,思ったよりも,揺られながらでも映画の内容は頭に入ってくるな,という点もあげておきます(ただし,僕は,この前に一回映画を見ています.まぁ,だいぶ,細かいところは忘れていたけれど).

ちなみに,フィルムは西住殿と秋山殿のツーショットでした.

2016年4月26日火曜日

編集がうんこ

「響け!ユーフォニアム」の映画見てきた.総集編なのは知っていたけれど,この名作アニメなら見に行って損はないだろうと思って見に行ったんだけれど,あんな名作アニメが信じられないほどのクソ映画になっていた.

とにかく,編集の仕方がうんこで,監督がなにを意図して,映画として二時間の尺を使って,なにを表現したいのかが全く伝わってこない駄作だった.テレビ放映時は,あんな名作アニメだったのに…….

基本的に,久美子と麗奈の話のはずなのに,二人の関係のステップアップがめちゃくちゃ乱暴になっているのが一番許せなかった(「愛の告白」だけを抽出すればいいんじゃなくて,なんで「愛の告白」に至るのかが重要なのに,そういう部分は全カット).なぜか,二人の物語の序章にあたる中学から引きずった二人の微妙な距離感に関する部分は完全にカットされている一方で,久美子が麗奈に愛の告白をする以外にはどうでもいい,ソロパートの再オーディションは,全体の 1/4 くらいの長尺をとる(のに,3 年生組の微妙な関係・距離感とかは全カット),せっかく映画版で,放送時間や CM に煩わされずに贅沢に尺が使えるのに,最後の県予選の演奏は途中で変にブツ切れ状態.もう,どこから突っ込んだらいいのか.本当にクソ編集すぎて,最後の方は笑えてきた.

たぶん,未来永劫,ここまでセンスのない総集編の編集はお目にかかれないと断言できるくらいのゴミ映画だったので,むしろ,この歴史的な瞬間に立ち会えたことが,ひとつの奇跡なのかもしれない.

うん,うん.これもまた,アイカツだね!

唯一の救いは黒沢ともよの演技がとても良かったことと(テレビ放映時からわかりきっているけれど),映画館の音響で管弦楽を体感できたところです.

2016年4月24日日曜日

個人的体験の共有

たぶん,いまの人は昔の人の何百倍〜数千倍も友達を持っている.

友達の機能は,基本的に噂話と内輪話の共有に要約できると思っている.そういう意味で,SNS を通して繋がっているということだけで,友達の機能は十分に満たしていると言えるし,それどころか,2ch の特定の板で無数の同系統の趣味をもつ名無しと話すことでだって,十分に機能としての友達を体験出来る.これは,インターネットのもたらした革新的な世界の形の一つだと,皮肉ではなく,本当にそう思っている.

その一方で,個人的に怖いと感じるのは,無数の友達の間で,個人の経験が拡散されることで,場合によっては,たった一人の個人的な経験が,数千〜数万の人の共有体験になってしまうことだ.

最近,「とある学校で,男性教員が女性の生理用品を『ふしだらなもの』だと思い込んでいて,女生徒の生理用品が没収された」という経験談(?)をみかけた(僕が見かけた時点で,Twitter で数千リツイートされていた).とりあえず,33 年近く男として生きてきて(妹がいたけれど),女性の生理について全く知識を持たないでいることなんてできなかったし(保健体育で習うし),そもそも,あれだけ大々的にテレビ CM で流されているものを「ふしだら」だと思いこめる神経がわからないレベルのトンチンカンさなんだけれど(事実として体験したという人が居たら,その人には大変申し訳ないけれど,僕個人としてはそんな事実があったとは信じられない),その話を発端に,男は女性の生理について何も知らないし,生理に対してネガティブな印象を持っているくらいの論調が生まれていた.

仮に,そういう男性教員が居たのだとしても,非常に不幸な出来事に,ある1つの時代の1つの学校が巻き込まれた,ということでしかないはずなのだけれど,そのつぶやきが拡散されていく過程で,「そんな不幸が事実としてあったのか」と共感した友達たちが,友達の友達に拡散していくだけで,その体験は,共感した人の数だけの一般認識になっていく(事実,僕もこういう風にブログ上で「こういう体験をした人がいるらしい」と噂できるひとりになってしまっているわけだ).これが怖い.

以前も,掛け算の順序に関する話で,掛け算の順序を逆にしたことでバッテンをつけられたとする証拠画像は,10 年近くも 2, 3 パターンの画像が拡散されていることで支えられているように見える(僕にはそう見えるというだけで,事実は調べたこともないから知らない.実態については,この問題に真剣に取り組んでいる人がいるので,そういう人の意見を参考にしてください)というようなことを書いた気がするけれど,これも,根っこは同じだと思う.数少ない経験談が多数の共有体験にすり替わっている事例だと思う.

インターネッツを通じて,簡単にたくさんの友達と内輪話を共有できることで,個人的体験が集団的な体験にすり替わっていく世界は,渡り方を気を付けないと,簡単に暴走する奔流に巻き込まれていくことになってしまう気がする(この暴走云々に関して書きたいこともあるけれど,それはまた,今度).

僕くらいか,僕より年上の古いインターネッツを知っている世代が,最近のインターネッツの世界にトゲトゲしさや危うさ(昔でいう殺伐とかとは違う)を感じてしまうのは,この友達感覚の拡張にあるんじゃないかな,というのが,最近の感想です.

2016年4月23日土曜日

プリンス死去

なんか,このくらいの世代のミュージシャンが,もう死んでしまうという事実が信じられない.僕からすると,歌手というより変な形のギターを持って凶悪なソロを奏でるギターヒーローだった人.この人の,甘いメロと全く噛み合わない凶悪なギタープレイが大好きでした.

まぁ,ファンだった,と大きい声で言えるような追いかけ方はしていなかったけれど.

本当に,一週間くらい前に,どういう流れだったか,ふとパープルレインが聴きたくなって,ゴソゴソと CD ラックからアルバムを引っ張り出してきて(つまり,iTunes に吸ってないくらい長らく聞いていなかったということ),聞いて,やっぱり格好いいな,とか思ったばっかりだったせいで,Yahoo! ニュースの記事タイトルを見たときも,訃報を読み終わっても,なんだか不思議な気分だった.しかし,本当に,ただただ残念.

余談だけれど,僕がプリンスを初めて目にしたのは,マペット放送局だったかセサミストリートだったかに(このへんは記憶が曖昧),名前が記号になった頃,なぜか出演していて,その記号になった件についてマペットにいじられるというシーンだった.あれは,小学生くらいの頃だったっけ?正確な時期も,あれが日本での初放映のときだったのか,再放送のときだったのかも,記憶が曖昧でよく覚えていない.そもそも,あれがプリンスだったということを認識するのは,プリンスの CD (パレードだった)を初めて聞いた中学の終わりか高校のはじめくらいのことだ.

ただ,マペットが「プリンス」と言いかけて,焦って記号の描かれたフリップを掲げる,というシーンだけは,当時は,プリンスを認識していなかったはずなのに,いまでも強烈に覚えている(もちろん,その後,洋楽の趣味があって,同世代だったゆえに同一の記憶を持つ人とそんな話題で盛り上がって,復習したことが何度かあるせいだとも思うけれど).

初めて聞いた CD がパレードだったせいか,パレードが一番好きなアルバムです.と,言い切れればいいんだけれど,実際,熱心なファンだったわけではなく,パレード前後の数作(まぁ,いわゆる黄金期と言っていいと思う)と,シンボルと記号時代の数作ほかパラパラしか聞いたことはないのでした.

2016年2月14日日曜日

まとめてなかった

2015 年視聴アニメ.

アルスラーン戦記
おそ松さん(継続)
俺物語!(途中切り)
終物語
がっこうぐらし
グリザイアの果実・楽園
幸腹グラフィティー(途中切り)
コンクリート・レボルティオ(途中切り)
櫻子さんの足元には死体が埋まっている
純潔のマリア(途中切り→原作へ移行)
それが声優!
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
のんのんびよりりぴーと
ハイスクール DxD BorN
パンチライン
響け!ユーフォニアム
監獄学園
やはり俺の青春ラブコメは間違っている。続
ユリ熊嵐
ゆるゆり さん☆ハイ!
夜ノヤッターマン(途中切り)
乱歩綺譚
ルパン三世(途中切り)
ローリング☆ガールズ

2014 秋から継続

SHIROBAKO
クロスアンジュ

……ちゃんと全部見たの,19 作って,過去最低じゃないかな?

途中切りは,基本的に 3 話切りより長く見たやつで,意図的に切ったのと忙しくて視聴継続できなかったのが混じっている.

印象に残っているのは,ユーフォ,SHIROBAKO,のんのん,監獄学園,パンチライン,ロリガ,ユリ熊で,継続だけれどおそ松は面白い.今年は,もう,SHIROBAKO とユーフォの二強で,もう,それ以上の感想はない.あと,ギャグ枠で監獄.まぁ,個人的には,のんのんとロリガを押したいところなんだけれど,あくまで自分の好みなので,二強に異論はない.特に,ユーフォは神がかっていた.ストレートな青春部活モノって優秀.

あと,アルスラーンは,まぁ,普通に面白かったけれど,展開遅すぎで評価を落とした感じ?例の紐は,なんで全部見れたのか自分でもよくわからない.がっこうぐらしは突っ込んだら負け系アニメなので突っ込まない.

俺ガイルの二期はクソアンクソ.恵まれた一期からのクソのような二期.本当に演出がゴミだった.あれに関わったスタッフ全員,なんで製作より前に寿命が尽きてくれなかったのか,というレベルのゴミ.

まぁ,そんな感じ.

2016年2月12日金曜日

MADOGATARI 展

休みを利用して,平日の朝から MADOGATARI 展へ行ってきた.

シャフトの 40 周年記念と言いつつ,内容の 8 割強は「物語シリーズ」と「まどかマギカ」で占められているのは,展覧会のタイトルの通り.内容は,主にシャフト作品の原画の展示で,少しだけ絵コンテとかが並んでいる感じ.個人的には,新房昭之監督の絵コンテが見られたことと,劇団イヌカレーのコンセプトスケッチとかが見られたのが大興奮でした.特に,イヌカレーのスケッチが良かった.

この展覧会で話題になっているまどマギ新作のコンセプトムービーは,パイロット版というよりは,新作の予告編的な内容で,(いずれちゃんと作る気はあるんだろうけれど)個人的には,不満というか,おあずけ感があって素直に喜べない感じでした(もっとコンセプトのパイロットスケッチみたいな,ショートムービーだけで一応完結しているようなものを期待していただけに残念).しかし,予告編(と言い切っちゃおう)を見る限りだと,新編で披露していたバレエを取り入れた路線は継続するようで,あの表現が好きだった自分としては,嫌が応にも期待を高めてしまう(といいつつ,あのアニメは本編で完結してしまった方が美しかったんじゃないか,と未だに思っているので,続編をどんどん作っていくスタイルはあんまり望んでもいないのだけれど……).

2016年1月14日木曜日

デイヴィッド・ボウイ

デヴィッド・ボウイが死んだ.ここ数年で最もショッキングな訃報だ.ただの訃報だったとしてもショッキングな出来事なのに,新譜が発売したというニュースを目にしたばかりなので,ちょっと今でも信じられないくらいだ(しかし,新譜のシングルカットの曲の PV をみると,妙に暗示的なものは感じてしまう).

僕自身は,ポップス,グラムロックにさほど思い入れはないのだが,デイヴィッド・ボウイとなると,それはジャンルのようなものを超越して,別格の存在・ロックスターとして認識している.だからと言って,詳しいわけではないし,ファンと名乗るのもおこがましいし,よく聞くアルバムといえば「ジギー」くらいなのだけれど,やはり,どの曲を聴いても,どのパフォーマンスを見ても,どのコンセプトでも,美しく格好いいデイヴィッド・ボウイというのは,やはり別格で,喪失した今になってみると,いちロックスターとして,大好きだったんだな,と思う.

最期まで衰えた姿なんて微塵も感じさせないほどエネルギッシュで美しく,格好良く,(真実は置いておいても)暗示的に自分の死を演出できるようなアルバムを死の直前に出すこともでき,かつ,世界中からその死を悼まれながらこの世を去っていくなんて,最期の最期までデイヴィッド・ボウイだな,と思ってしまう.

だからこそ,突き抜けた才能が失われてしまったことは悲しいけれど,このロックスターとして真に尊敬できる美しい最期に脱帽.

2015年10月14日水曜日

ありあじあっゔぇにーれ

公開初日に観に行っていたんだけれど,感想を書くのを忘れていた.

「ARIA the Avvenire」

とにかく,完全な,僕らの望んだ「ARIA」そのもので,素晴らしかった.新人 3 人組とか出てくるんだけれど,「ARIA」は,アリシアさんと灯里ちゃんの物語である,ということがブレていなくて,すごく良かった.特に,アリシアさんの物語が丁寧に描かれていたのが良かった.

個人的には,思い入れを注ぎ込みにくい新人 3 人組に時間が割かれた分,灯里,藍華,アリスの 3 人組の絡みが少なかったのと,本当にどうしようもなく,仕方がないんだけれど,僕の愛するアテナ先輩がいつものボケボケな状態でみんなと絡んでいるところが見られなかったところが,本当に残念だった.川上とも子ロイドでもいいし,それどころか,しゃべらなくても,書き下ろし原作漫画に登場しているシーンでは登場させて欲しかったな.描かれなかったのが悲しい.ただ,アテナ先輩の長髪はちょっと(苦笑).

でも,回想シーンだけでも,川上とも子さんの声でアテナ先輩が喋ってくれたのと,録音だけれど河合英里さんの歌声が流れたのは,泣けた.

あと,一瞬だけれど,アルくんと暁さん,郵便屋さん,カフェ・フロリアンのオーナーまで出ていたのにウッディーさんが出ていなかったのはかわいそうだと思った(笑).いや,もしかしたら,どこかで一瞬だけ出ていたのを見逃したのかもしれないけれど.

2015年9月25日金曜日

すたっぷ

最終的な報告がなされたようなので備忘として記録しておく.しかし,こういう報告が論文誌に(しかも,Nature に)載るという事実が,この事件の傷跡の深さを象徴しているようだ.

この段階にきて,改めて思うのは,結果論から遡る以外に,あの事件をどうやったら未遂に終わらせることができたのか,という点が,今後,重要になってくるのだろう,ということ.今回は,蓋を開けてみたら,あまりにも杜撰な状態が明らかになったから解決の上でよかったようなものの,もし,これが巧妙に仕組まれていたとすると,科学哲学的な意味での性善説のようなものは崩壊していくしかないのかもしれない.

関連記事

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こうならべると,自分,結構,この関連の記事書いてたんだな…….まぁ,サイエンスの隅っこにいる人間として,この件に関心をもたないとか無理だしな.

2015年9月24日木曜日

「心が叫びたがっているんだ」感想

長井監督(+まろり+田中さん)の最新作.「あの花」のメンバーが再結集という売りなんだけれど,個人的には「とらドラ!」の三人組(「あの花」は嫌いじゃなかったけれど,媚びすぎというか,わかりやすすぎというか,なんとなくダメなところが見え隠れするので).

というわけで,感想(ネタバレ含む,というか,見てないと意味不明かと).

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単純に面白かった.確かに,満点の出来ではないけれど,単に佳作というよりは,良作として評価したいくらいの面白さ.名作ではないんだけれど.

全編を通して,とにかく,長井監督の絵作りが天才的に上手くて,カットの数々を眺めているだけで楽しいとう感じ.長井監督の切るコンテの特徴として,画面の中の人物の配置の取り方が際立つけれど,単純なカメラの動かし方とかも綺麗で,本当に才能を感じる.あと,やっぱり,この人のコンテは,過剰演技気味と言われることもあるけれど,表情豊かな演技をさせるから好き.特に,今作の場合,誰が誰にどういう思いを抱いているのかをセリフよりも絵で,丁寧に,上手く表現できていたところが良かった(順は坂上に顔を赤らめているシーンがあるけれど,坂上が順に顔を赤らめているシーンはほぼない,とか).

ストーリーに関しては,とにかく,「幼い女の子が憧れている山の上のお城がラブホテルでそこから不倫中の父親登場」という強烈なイントロが素晴らしかった.この辺,まろりと長井監督が(たぶん)大好きな「無自覚と無知の生む悪意」そのもので,とても良かった.ストーリー全体は,担任のいう「ミュージカルには奇跡がつきもの」というセリフが象徴するようにありきたりなベタな奇跡に満ちている青春ものなんだけれど,それでいい,という感じ.いや,それでこそ,といったほうがいいかな.とにかく,坂上が順を選ばないラストは,日和らずによく描き切った,と褒めてやりたい(最初から最後まで坂上から順に何かを思っている描写がない.逆に仁藤を気にしてる描写は多い).まろり分が薄くて,もう少し切れ味欲しかったとも思ったけれどw

ストーリーで少し残念なのが,仁藤が良い子で,可愛すぎたところかな,と.彼女は,もっと,暗黒面に落ちて良かったと思う.可愛いし,病み方が優等生すぎた.あと,田崎が三枚目の良いキャラで良かった.最後の告白宣言も田崎のキャラが良かったから,あんまり蛇足感がなかった気がする(ちゃんとファミレスのシーンで好意を抱き始めるきっかけも描かれていたし).恋愛関連も,2 時間の映画でよく詰め込んだ,という感じ(坂上・仁藤に関しては,「以前付き合っていたけど自然消滅した」という言葉で観覧者に想像させる手法だったけれど,順と田崎については丁寧だった).特に,順の恋愛も行動理念も,人との関わりを積極的に断ち続けた結果として,精神的に幼い部分が残酷なまでにエグく描かれているところは,さすがまろり先生.

ネットでは,true tears(アニメ)にストーリーが似ていたみたいな評があるけれど,違うね,と(似ていないとは言わないけれど).作中,坂上は,一度たりとも順に惹かれていないし(ここが重要),そもそも,この話は,順(乃絵に相当)の視点で描かれている.そして,本質的に恋愛が主題ではないところが根本的に違う(今作において,恋愛の方向性は軸がぶれていない,誰が誰に選ばれてどうなるのかは,物語の始めから終わりまでぶれていない).むしろ,"青春の向こう脛" を蹴られて痛くなってしまったのは,恋愛のせいではなくて「卵」に象徴される「言葉にしない」という各人の心の問題で,恋愛がらみのドロドロではない.

ストーリーの類似度で言えば,むしろ,三人組の前作である「あの花」のほうが高くて,「卵(キャラ)」を「めんま(青春のもたらした幻覚)」に置き換えると,ストーリーが「あの花」の主軸と同じことがよくわかる.違うのは,「あの花」では,みんなが「めんま」の存在を認めることで,わだかまりが解消したのに対して,「ここさけ」では「卵」の存在をみんなで否定する(=それは自分の生み出した幻影と認める)ことで,風が通るようになったというところくらいか.

あと,個人的には,「家族愛(笑)」なスタンスが非常によかった.「家族」には「無償の愛」があるとか糞食らえだよね.クソみたいな家族は実在するし,それは,事実として無視してはいけないのだ.ラスト近く,順の母親が順を見直す部分は,ストーリーの都合上仕方がないとはいえ,アレもなくてよかったくらい.絶対的な正義みたいな薄っぺらい「家族愛」しかテーマを作れないクソみたいな無能アニメ映画監督とは大違い.細田のことだけど.

細かいところだと,思春期に特有のダサい空気の作り方は,やっぱり上手いな,と思った.「青春の向こう脛」とか,担任に変なあだ名をつけているところとか,行事を略称(振れ交)で呼んでたりするところとか,ラブホという存在の扱い方とか(=性行為という恋愛のリアルとの距離感の取り方).

まぁ,そんなこんなで,面白かったので,見てない人にはオススメしておきます.少なくとも,「あの花」よりは面白いです.「とらドラ!」には勝てないかもしれないけれど.あれは,ちょっと別格すぎて…….

長井監督に今後も長編アニメを作るためのスポンサーがつきますように.細田なんかに金を出している人は,長井監督に金を出すようになればいいのに.

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やっぱり,好きだったものを褒める文章を書くのは苦手.

2015年8月10日月曜日

ジュラシックワールド

見てきた.ただ単純に面白かった.あと,いまの CG の技術ってすごいなと思った.なにより,アニマトロニクスを使っているシーンよりも CG のほうが画面に馴染んでいるのがびっくりした.

いくら名作とはいえ,映画についてはジュラシックパークの第一作から今作まで,所詮は SF パニック映画なので,ストーリーとかそういうものに突っ込むのは野暮.とにかく,恐竜が動いて,戦って,恐ろしいというところが守られていれば全てオーケーなのだ.

個人的には,(異常に巨大な)海トカゲさんが美味しいとこを全部持っていくところとか,ジュラシックパーク時代の遺物が出てきたりするところとか(小物とか音楽とか),ティラノサウルスとインドミナスがバトルしているところにラプトルがピョコピョコ飛び回るシーンとかが良かった.残念だったのは,イカした(イカれた?)古生物学者が登場しなかったところ.本筋に絡まなくても,アラン・グラントは出してほしかったなぁ.

あと,ジュラシックなのに,クレタの恐竜ばっかりなのは,いつもながらもにょもにょする.クレテイシャスワールドではいかんのか?

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さて,ここで問題です.ジュラシックパークで古生物に目覚めて,いま,古生物学者になってこの映画を見ている人は何人くらいいるでしょう?ちなみに,私は違います.

2015年6月22日月曜日

ラブライブ!の映画

なんとなく暇なタイミングで,上映期間中に映画をやっていることを思い出してしまったことと,なんとなく,見ておかないと気持ち悪い感覚が残りそうだったので見てきた(または,見てきてしまった).

内容に関しては,まぁ,「内容が無いよう!」という以上の感想は無い.面白いとか面白くないとか,言及する次元の話ではないのだと思う(別に悪い意味ではなく).美少女動物園の PV として限りなく "間違っていない" 作りだった.そして,凛ちゃんかわいい.

同様の美少女動物園系に数えられる「けいおん!」の映画が,本編(原作+TV 放映)にできた空白をスッポリ埋めることで物語を過不足なく完成させたのに対して,完全に放映時に終わらせてしまったラブライブの物語に,約 2 時間分の映画を作ってなお,本編のラスト以上に "何物も加えない" というミラクルをかましてくれたのは,ある意味,尊敬できるレベル.ちょっと花田十輝を見直しそうになったw(参考: http://mad-bass-laughing.blogspot.jp/2015/06/blog-post_9.html )

とにかく,本編であれだけ熱く「μ's は 3 年生の卒業とともに終わる」とかいっていたのをほじくり返すとか「イミワカンナイ!(カミノケクルクルー)」や卒業式から何日経ってんだよ!的なツッコミをしたら負けということがわかった.あと,「突然歌うよ!」なミュージカル的なノリと演出は嫌いじゃなかった.

とにかく,凛ちゃんかわいい.

2015年5月16日土曜日

やっぱり,いい

志村貴子まつり感想.

「淡島百景」 1

短編連作で歴史を紡ぐ系.だいぶ,マイルドに描いているけれど少女同士のエグい話をサラッと描いちゃうあたりがさすが.2 話と 3 話が良かった.藤ヶ谷が出てきたりしたのは「ちょっと」と思ったけれど,バス停さんの裏側は良かった.バス停さんが,あーちゃんがお気に入りだった理由がわかった気がする.

本当に,志村貴子は「嫌な奴」を書かせると天才.

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「娘の家出」 2

なんか,トーンダウン.変な人間しか出てこないのが,なんかダメなんだな.「青い花」でも,「放浪息子」でも,自分が他人と違うとか,世界から拒絶されるとか,そういう感覚が緊張感を生み出していたけれど,みんなが呆気らかんと現状を認めてしまう世界というのは,やっぱり,なんか違う気がする.

ナンバー 11, 12 のニート姉妹は良かった.

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「わがままちえちゃん」

一冊完結.短くまとまっていて良かった.あと,読みながら,さおりんが彼氏と出会わずにやけっぱちのまま高校生になったらこんな感じで自暴自棄になるんじゃないかなと思いながら読んでいたら,作者あとがきで作者もさおりんとの親和性を感じていたようで…….

エンコー少女になったくらいのところまではピンボケしていてよくわからなかったけれど,利根川さんが出てきてから徐々に焦点が合ってきて,オチは良かった.

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「こいいじ」は試し読みだけして,ちょっと面白そうと思ってしまったので,今度買おうかと思っている.