志村貴子まつり感想.
「淡島百景」 1
短編連作で歴史を紡ぐ系.だいぶ,マイルドに描いているけれど少女同士のエグい話をサラッと描いちゃうあたりがさすが.2 話と 3 話が良かった.藤ヶ谷が出てきたりしたのは「ちょっと」と思ったけれど,バス停さんの裏側は良かった.バス停さんが,あーちゃんがお気に入りだった理由がわかった気がする.
本当に,志村貴子は「嫌な奴」を書かせると天才.
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「娘の家出」 2
なんか,トーンダウン.変な人間しか出てこないのが,なんかダメなんだな.「青い花」でも,「放浪息子」でも,自分が他人と違うとか,世界から拒絶されるとか,そういう感覚が緊張感を生み出していたけれど,みんなが呆気らかんと現状を認めてしまう世界というのは,やっぱり,なんか違う気がする.
ナンバー 11, 12 のニート姉妹は良かった.
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「わがままちえちゃん」
一冊完結.短くまとまっていて良かった.あと,読みながら,さおりんが彼氏と出会わずにやけっぱちのまま高校生になったらこんな感じで自暴自棄になるんじゃないかなと思いながら読んでいたら,作者あとがきで作者もさおりんとの親和性を感じていたようで…….
エンコー少女になったくらいのところまではピンボケしていてよくわからなかったけれど,利根川さんが出てきてから徐々に焦点が合ってきて,オチは良かった.
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「こいいじ」は試し読みだけして,ちょっと面白そうと思ってしまったので,今度買おうかと思っている.