2015年3月18日水曜日

アニメ業界ブラック説に関して思うこと

ある業種について,賃金に不満がある場合,結局,やる(やりたい)人間が自分(労働力)を安売りしないことしか,労働条件を改善する方法はないのよね.少なくとも,自活できないような賃金の仕事は全部断るとか.その結果,そんな賃金じゃ雇えないと首を切られたりするんだろうけれど,それらが積み重なって業種や従事者が減少して市場が縮小したときに,需要があれば条件は改善されて行くだろうし,そうでなければ,その市場に需要はなかったということで衰退するか消滅していくかしかないのでしょう(介護とかそういう職は,前者なので頑張ってもらいたい.アニメ業界はかなり後者よりなので,健全化のために消滅させてもいいんじゃないかと思う.ちなみに,研究者は,イベントがない限り社会的には限りなく後者だけれど,少なくとも現在の施政者の一般的な保護政策のおかげで公的な支援が充実していて,辛うじて命脈を保っているという状態だと思っている).

特に後者に属する系列に多い(というかサブカル系産業に多い),その仕事ができる喜びみたいなものに殉じて自分の仕事を安売りするようなタイプの人間は,他者も巻き込んだ大迷惑なのです.「好きだから」,「やりたいから」で自分や周囲を犠牲にしていいのは趣味の範疇に許されるものであって,適正な(=自活できるレベルの)価格で買い取られないことを許容している状態は,プロフェッショナルといえないどころか,仕事にすらなっていないのですよ.

それができないということは,あなたにはその業種をやる上での運も,運すら凌駕する飛び抜けた才能もないのです(運は重要.マジ重要.「SHIROBAKO」で杉江さんも言ってた!).