2010年1月26日火曜日

ぎゃくだよ……

今更気付くのも我ながらバカバカしいんだけれど,Saito et al., 1986, Nature. の K/P 境界層準の全有機炭素の安定炭素同位体比の挙動が正へのシフトだった(言い訳させてもらうなら,この図では軸が通常と逆に書かれていたから,てっきり負のシフトだと思っていた).

本来,K/P 境界で炭素同位体比は負にシフトするので,完全に逆に動いていることになる(すなわち,炭素同位体比層序的に,ここは K/P 境界ではないと証明されている).

もちろん,この論文の出版時期には,K/P 境界時の炭素同位体比変動の一般論が確立されていなかったので,この論文に対してどうこうと言える話ではない(……が,2000 年以降にもこの論文に言及している文献がたくさん出ているのに,このことに言及しているものをとんと見たことがないのは疑問).

まぁ,「検討試料数が少ないから」という反論は可能だけれど,それだけじゃきっついよね.