本当は,大好きな音楽家であるところの大滝詠一さんが亡くなったことに関して,前回の記事で触れるべきかなぁと思わないでもなかったのですが,本当に大好きだったから,あまりの唐突な訃報に感傷的になり過ぎていて,触れるに触れられないような妙な感じもあり,また,新年一発目の更新から自分のセンチメンタリズムを前面に押し出すような文章をアップすることにも抵抗があったので,触れなかったわけです.でも,二週間くらい経った今でも,不意に音楽プレイヤーから大滝さんの歌声が流れると,悲しくなってくるくらいには,やや感傷が抜けなくて…….
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僕が大滝さんの音楽に触れたのは,まぁ,世の中の人の大部分がそうであるように,はっぴいえんどからの流れでした.気怠そうな,眠そうな声で,ふつーの青年のふつーの日常的な感情を吐き出すような歌い方に魅かれました.「A LONG VACATION」あたりから CD を買いはじめ,一見キラキラしたキャッチーなだけのポップスのような顔をしていつまでも聞き続けたくなる「趣味趣味音楽」の深みに耽溺していったのでした.
好きな曲は無数にあります.挙げても切りがないくらい.
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細野さんのコメントを読んで,本当に大滝さんの頭の中にあったはずの「ポップスの宝庫」がどこに行ったのだろうかと,想いを馳せる.死んだ人の頭の中にあった形になることのなかった「もの」って,永遠の中に消えていく,その儚さと美しさが素敵ね.
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なんだか,何を書いているのか自分でもわけが分からなくて,書いているだけで悲しくなってくるので,終わり.
BGM にかけていた「A LONG VACATION」で,ちょうど「カナリア諸島にて」が終わったし……