2014年8月18日月曜日

県の石

某地質学会の企画で,都道府県の石というものを募集しています.各都道府県を代表するような岩石,鉱物,化石を某地質学会が認定して,地学をアピールしようと言う狙いなのですが,ちょっと面白いので色々と妄想してみた.

※一般募集中なのです.Yahoo! ニュースにも取り上げられています.いろんな方面からの要請により宣伝(ステマ).

地質に関して,僕がある程度の知見を有するのは北海道だけなので,北海道を例にしますが,まぁ,一般的な見解(というかたぶんこれで決まるだろうというもの)としては,「岩石→かんらん岩」「鉱物→日高翡翠(透輝石)」「化石→アンモナイト(種まで指定なら Nipponites mirabilis)」あたりでしょうか.次点としては,岩石に黒曜石が入って鉱物にかんらん石が入るという組み合わせ辺りが有力なのではないかと思います.多分,アンモナイトは揺るがないでしょう(某地質学会の公式募集ですでにそれが決まっているような書きぶりですし).

正直,岩石と鉱物に関しては(あんまり興味ないし)どうでもいいのですが,化石がアンモナイトに決まってしまうのは,なんか納得がいかないと感じる人も多いのではないかと思います(他の地域の白亜系が形無しだし,北海道を代表するかというと疑問符がつく).そんなわけで,いくつか代案を考えてみました.

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「デスモスチルス(もしくは束柱類)」

「瑞浪で世界初記載の個体(Holotype)が出たとか知るか!殴り込みじゃ!瑞浪 Mio がなんぼのもんやねん!」ということで,世界に 2 体だけの全身標本の産地(1 個体は現サハリンだけど)であることをアピールして岐阜県と殴り合いをするというアイディア.デスモスチルスで負けたらシレっと Ashoroa laticosta を提出して,束柱類の元祖をアピールしちゃえ!

「タカハシホタテ(Fortipecten takahashii)」

これは,わりと真面目に.東北でも産出するけれど,北海道〜サハリンの固有化石といって誰も文句は言わないであろう化石.アンモナイト(笑)を挙げるくらいなら,是非ともタカハシホタテを推していきたいところ.

「ホベツアラキリュウ(ホッピー)」

酒ではない.意味もなくフタバスズキリュウを擁する福島県に喧嘩をふっかけるというアイディア.いや,ただ,無意味な争いを生みたいだけです.

「イノセラムス類(とその化石層序)」

これもわりと真面目.日本の白亜系の化石層序の成立という学術的なバックボーンを支えたイノセラムス類には,そろそろスポットライトを当てても罰が当たらないと思う.ほとんど見つからないアンモナイト(笑)なんて,層序学的にはクソの役にも立たないしね.

「石炭」

岩石に入れるべきかもしれないけれど,化石に石炭が選ばれて,他の有力候補が涙をのむという展開は面白いと思いませんか?

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思いついたら,また追加するかも.本当は,Karrerulina hokkaidoana とか Bellatudinium hokkaidoanam とか言いたいけれど.あ,岩石に K–Pg 境界の境界泥岩とかもアリだなw