2012年12月2日日曜日

高橋葉介個展

もう,先週のことになりますが,高橋葉介先生の個展に足を運んできました(そして,ついでに東大古生物展にも行ってきました).

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とにかく,高橋葉介先生の生絵には,ひたすら感動しました.そして,賞味のところ,どんなに印刷が良くても,墨の微妙な濃淡というのは印刷じゃ表現しきれないものなのだなぁ,と得心した次第です.

個展にでていたのは,ほとんどが書き下ろしの一品物で,僕が観覧した段階で,ほとんどの作品が売約済みであり(高い物で \100000- 程度でした),僕が個展会場にいる間に 2 枚も売れてました…….自分にも,絵を購入し,かつ,その絵を飾った部屋の空調なりを整える資金力があったら購入していたかもしれませんが,ただの博物館勤めのビンボー研究員のできることではありませんでした.

展示されていた絵の中で,いちばん面白かったのが,「素敵なお兄様」の同一モチーフによる彩色の各段階の絵です.濃墨,濃墨+淡墨,濃墨+淡墨+松煙墨(か青墨),濃墨+淡墨+松煙墨(か青墨)+朱……という風に,色が重なっていく各段階が別個の作品になっていて,最終的な絵(多分,二色刷り用の作品)ができるまでの課程を詳細に観察することができました.

展示作品(一品もの)以外に,マンガの原稿も展示されていました(ストーリィ・テラーの「赤ずきん」と夢幻紳士新怪奇篇の一話←なんだったか忘れた……orz).以前から,筆の性質と墨の濃淡を生かしたコマと,トーンを使っていたり,細部を明らかにペンで描いているコマとが共存している原稿がどうなっているのか,ということが気になっていたのですが,今回,原稿を見ることで,その疑問が氷解しました.筆のコマは,原稿用紙に和紙を貼って描いていたのですね…….そして,原稿は,ホワイトがほとんどない,非常に美しい物でした.

ファンの一人として嬉しかったのは,ネーム(完成稿直前くらい?)のコピーが置かれていたことです.そんなに多くの作家のネームを見たことがあるわけではないのですが,絵の微細さに対して,予想以上にネーム時の絵がラフだったことに驚きました.

そんなわけで,高橋先生の絵画の世界を十分に堪能し,サイン会でサインをして頂いて東京から帰ってきたのでした(ミルクちゃんと素敵なお兄様を描いて頂きました).

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……東大古生物の展示に関しても,なにか書こうかと思ったんですが,そこまでポジティブな感想でもないのでよします.